世の中が複雑になるにつれて心の病が増えてきます。街中でも“○×メンタルクリニック”や“心療内科”を掲げる医院がふえています。先日の朝日新聞にはとくに若い患者さんが増えすぎて新患が数週間待ちの状態という精神科医の話が載っていました。うつ病はここ10年で約2倍以上増えていて、しかも最近のうつ病はいままでのうつ病とは違うようです。
まず今までのうつ病です。症状はこころ(精神症状)とからだ(身体症状)の2つに分けられます。精神症状としては何をするのもおっくう、集中力がない、一日中心配事や悲観的なことを考えている、人と接することが大儀などです。 身体症状としては不眠・頭が重い・頭痛・めまい感、食欲が低下し体重減少、肩こりや腰痛など体の痛み、体が重い、息苦しい、動悸がする、手足のしびれ感や寝汗などです。うつ病ではこのような状態が一日中継続しますが特に朝方に強く夕方にはすこし良くなる傾向があります。これらの症状があればうつ状態(または抑うつ状態)といい2週間継続するとうつ病の可能性があります。
では新しいうつ病はどうでしょうか。20-30歳代の女性に多く仕事に関する時だけうつ症状を訴えます。仕事が思い通りにいかない、仕事上のトラブル、職場になじめないなどを契機に手足が重く動かない、出勤できない、やる気がおきない、眠れないなどの抑うつ症状を訴えます。そのくせ休日など仕事から離れると元気になります。診断書をもらって休みたがります。これが今増えているうつ病で“非定型うつ病”といわれるものです。自己主張が強く自分が批判されると攻撃的になって自分を守ろうとするため “自己愛型”ともいい、自分の病気を会社や他人のせいにします。また、ささいな一言で落ち込むなど気分の浮き沈みが激しい、過眠傾向や過食による肥満、抑うつ状態が夕方に強くなるという従来のうつ病にはない特徴があります。社会経験に乏しく世間の厳しさを知らない、人格が未熟で挫折に弱い性格傾向が見受けられます。従来のうつ病より治療が難しいことが多いようです。 このように “ただのわがまま”にしかみえないのが最近増えているうつ病です。
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